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ミシン

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大寒って、ほんとに寒くなるんだねえ。この時を超せば、きっと春が1歩ちかずいてくるのだろう。なんて、不遜なことを言うのはやめよう。春は小さな足音を立てて近づいてきているではないか。蝋梅や梅や水仙が咲き始めている。陽光のパワーが強くて、見るだけで身体に力がみなぎってくる。
しかし生き物は正直だ。朝、池の鯉たちは、湧き水が落ちて少しでも温度の高い場所に集まっている。狭い場所に満員に集まっている。毎朝、鯉たちが広いお池の中で、その狭い場所に集まっている光景は「不思議な国のアリス」をおもいださせる。テーブルの席はいっぱいあるのに、一つの場所に集まって、「場所ばない、場所がない」とくっつきあっているあの場面。作者のDogesonは、何を想ってあの場面を作ったのだろうか。
Narayanpur village, Sakura shopから写真が送られてきた。このミシンは初めの頃に買ったミシンだ。もう何年、使い込んだことだろうか?
初めはお金を稼げるように、とこちらも思い、相手方もお金がほしい、と長年やってきたけれど、日本ではほとんど考えられないこの古びたミシンで製品を作っている写真を見ると、何かが間違っていたような気がする。
Gallery Sakura Mohila:に並ぶ村から来た製品は、ほんとにこの環境と合致しています。
村の人たちと関わってきた数十年、今は宝のように感じられます。



# by sakura_mohila | 2023-01-23 16:35 | Comments(0)  

積み重ね

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大寒の朝、凍り付いた茎からコスモスが白い花を開いていた。なんでもないことかもしれないけれど、秋からずっと待っていた花だったから、思わず応援したくなった。
タブロイドの古い写真を見ていたら、数年前の写真が芽に入った。
この写真は仕事をして、お金を受け取ってサインをしている夕方のものだ。皆、若くて、喜びの顔をしている。それから数年が過ぎ、女性たちは力をつけた。受け取る額も多くなり、いまではこのような初々しい表情をしていない。
皆、お金に目覚めるから、しっかりとした現実的な顔をしている。
そして昨年の10月から、彼女たちは自分たちの店を持ち、お金を支払う立場になった。どんな人たちにいくら支払うのだろうか?
支払いを済ませたあとは、手元にお金がのこっているのだろうか?
お陰様で、出だしは順調に推移しているようである。
いつの日か、私の支払いの苦労も分かる日がくるかもしれない。
しかし彼女たちには、ただお金が入った、出て行ったではない、仕事の哲学を身につけてほしい。

# by sakura_mohila | 2023-01-21 16:33 | Comments(0)  

布の店

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陽光の強さは希望を運んでくる。1月の陽光の中にいるだけで、力が湧いてくるように感じます。キラキラ、キラキラとして、1月は明るい、と思ってしまうのです。しかも温度が低くないと、キラキラとは思えないから、この陽光が輝くためには、寒くないといけないのですねえ。寒さの中の光と、暑さの中の光がとても違うなんで、不思議、不思議!
日本からダッカのアパートに人を連れてくると、一様に、布屋さんにビックリされます。布が写真のように、お店先を埋めていて、これはサリーのお店です。しかもこのような店がいっぱいあるのです。
もっと不思議は、この中からちゃんとお気に入りを選び出せることです。
客は、布の前の椅子に案内されます。目当ての布を、「あれ、それ」と指さして、布を山かた取り出して、目の前に広げてもらいます。
サリーは、中に入る部分、後ろにまわる部分、前に見せる部分の柄が違います。
そんなことをして、お気に入りのサリーを選ぶのが、楽しいようです。
地元の人たちは、ゆっくりと時間をとって、お気に入りの柄を手に入れるのです。
高級店になると、途中でお茶のサービスが入ります。
サクラモヒラはもう何年も、サリーを買っていますから、当然、お茶のサービスがあります。近くのお店から運ばせるのですが、お茶とコーヒーから選びます。
地元の”cha"に比べたらコーヒーは、その10倍くらいの値段です。しかも使い走りに出る人は、コーヒーの味を知らない人ばかり。
私は、迷うことなく、コーヒーを選びます。"cya"は甘くて飲みにくい。
コーヒーも昨今は、おいしくなりました。地元の”おじさん”は、“コーピー?”などと発音しますが、マシーンで入れたおいしいコーヒーです。



# by sakura_mohila | 2023-01-18 16:11 | Comments(0)  

Sakura Shopから

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朝、月も、空を赤く染め始める陽光も見て、今日も晴れだ、と思っていたら、明るくなってからは曇り空で、雨が落ち始めた。雨の1月だ。気がつけば、1月も半分過ぎたのだ!
ナラヤンプール村のSakura Shopから便りが来た。
なんとSakura Shopは、蒸気をあげて進行しているようだ。
数年前のことだが、カジョルレカは「村の人はお金を使わない」と言っていた。その時は、独立するのは時期尚早だと、何かが教えていたのであろう。
今回は、自分たちから独立資金を借りたがった。そして、仕入れた布が、注文の洋服も含めてほぼ売り切ったのだそうだ。社会の状況がそれを可能にしたのだろうか?
Sakura Shopの経営をしながら、彼女たちは何を学んでいくのだろうか?
村の仕事の応援をします、と便りを送ってくる女性がいた。だれだろうと、気にかかって聞いたら、彼女は何年も前にリーダーをお願いしていた、しっかり者のべガムさんの娘さんであった。ナラヤンプール村に住んで、教師をしている。べガムさんは最近亡くなったということである。
しかしこのような形で受け継がれるとは、なんと嬉しいことだろう。こぼれた種が芽を出したような感じである。
写真の布のキャビネットは、村の資産としてはとても立派だ。


# by sakura_mohila | 2023-01-14 17:01 | Comments(0)  

Sakura Shop2 

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Agatha Cristieによるドラマ、”Poirot” は水曜日、9時からの楽しみの時間になっている。同じ時間で、その前には、「シャーロック・ホームズ」であった。何年も前に観たシリーズであるが、それでも夢中になって、飽きることがない。
先ず、ビクトリア時代の背景が面白い。Poirotの方が、時代が近いのだが、ホームズの時代にはまだ車がなく、Poirotの時には車が社会に登場している。Homesの番組では、貧しい地域の生活背景がわかり、時々、靴を履いていない子どもが映し出されて、バングラデシュの村に初めて行った時のことを思い出す。
しかしPoirotの背景は。豊かなビクトリア時代だ。Cristieが豊かな社会階層の人である。社会が豊かな物に囲まれ、お金に絡む事件があって、ビクトリアの時代の特徴が見えてくる。
Poirotと言えば、食通でマナーにうるさく、オーデコロンやよい仕立ての服を愛し、花を愛でた生活がおしゃれで、うらやましい。
ビクトリアの時代は自分の好みであるが、その時代はイギリスが世界の富を独り占めにした時代。しかし、バングラデシュに行った時には、その時代が”現物”であったのだ。今も村に行くと、その名残があって、ビクトリアの時代を生きているように思うときがある。
サクラモヒラの村の女性たちが、商品として買い集めた布を見ながら、綿が世界の大きな商品であったことに想像がおよび、いろいろなことを思う。
彼女たちは、Sakura Shopのことしか考えていないことだろう。そのことが、またビクトリアの英国を彷彿とさせるのだ。
村の顧客にどんな製品をつくるのであろうか?考えても、考えても、おもしろいねえ!

# by sakura_mohila | 2023-01-12 17:32 | Comments(0)