秋風の気持ち良さ。こんな乾いた空気の時には、とんぼがよく似合う。日本の模様には、浴衣の模様などに、とんぼがよく使われて、涼しさを演出している。しかし、バングラデシュで、とんぼの模様は見かけたことがない。模様の形態がちがうのかもしれない。バングラデシュはイスラムの国で、模様を成す原型はアラビア模様である。まわりの植物や幾何学模様が中心になっている。
写真の藍染めの布は、古い木版を組み合わせて、蝋で作り、藍で染めたものである。歴史のものではなく、現代の染めであるが、藍が勝ち色まで濃く、少し部厚い綿を染めている。素朴なブロックプリントの藍染めをベッドカバーにしたてたものである。このベッドカバーを使う家は、富裕層に属する人であろうか。彼らは、家の環境をきれいに整える。運転手さんなどの労働者や村の人たちの家にもお招きを受けて入ったことがあるけれど、それなりの経済状況に応じて、家をきれいにしている。ベッドカバーも、清潔に洗ってあり、それが家を飾るものとなっている。できる範囲の中で、自分らしく整えたインテリアを見ると、なにがリッチで、なにがプアか、分からなくなる。当地でも、手作りのものは、高価なものになった。しかし、これだけの職人技を残したい、と思ったら、高い、安いの基準ではなく、残したいものか、きれいなものか、という価値感が必要になってくるのではないだろうか。
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by sakura_mohila
| 2024-10-13 15:28
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8月にダッカで手配してきた荷物が昨日配達になり、8月の仕事がやっと本日完了しました。秋に着るための服がこれで揃いました。次は、春の準備をそろそろ・・・と考えています。
バングラデシュは、雨季から乾季に入り、気候がよくなってきます。農閑期でもあることから、人々はピクニックを楽しみます。学校ができて、次の11月くらいに、ある宗教の団体からピクニックのお誘いがありました。当時は、まだバングラデシュは、世界の最貧国でした。教会でバスを借りて、Cumillaというところに団体旅行をしたのです。その場所に、教会のだれかが土地を持っていて、その場所を使って交流会のようでした。お弁当も配られました。バナナとパンのようなものが入っていました。目的地では、お料理サービスの人たちを呼んで、ビリヤニを作り、皆で食べました。まだ、当地の文化につうじておらずに、ビリヤニさえも知りませんでした。自分は食べた振りをするのが得意なのですが、あまった食べ物は、袋に入れて、食べられない人たちに渡していたのをよく覚えています。しかし、その食べ物の入れ方たるや、人間にあげるような形ではなく、やりきれない気持ちになっていました。相手の人たちは、それでも喜んでいましたから、やはり貧しかったのでしょう。わりきれない気持ちになるのも、そのような場面が多かったです。それから数年して、ある食べ物が多かったので、初めからきれいに取り分けてある人にあげようとしたら、ガイドさんが、それでは自分の食べ残しを差し出すようなものだからやめたほうがよい、と言ったことを思い出します。 今は、少なくともダッカでは、おしゃれなレストランがたくさんできて、皆、連れ立って食事を楽しんでいます。ダッカのあるレストランにいったら、ビュッフェスタイルで、一人が¥1500でした。日本のランチくらいの値段ながら、バングラデシュでは結構高額だと、自分の懐に鑑みて思っていたら、大繁盛でした。日本のランチよりは数々の品が揃っていたけれど、こちらの胃袋能力は、日本のランチ並みでしか消化できず、しかし食べるという光景に大いに満足しました。写真は、村のサクラモヒラの女性、ファテマが刺繍したものです。大作を作り始めたばかりのころで、気合がはいっています。図柄はナラヤンプール村の小学校の子どもが描いた絵を使いました。大作を作れることが嬉しくて、一生懸命だったのでしょう。今は、こぎれいになったけれど、この力が失せたように思えてなりません。人が一生懸命である時って、輝くのだなあ、と改めて思い出すことが多くなりました。
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by sakura_mohila
| 2024-10-10 16:10
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第1日曜日の8時からは、地域の通りの清掃活動に参加します。地域の人たちと、顔を合わせるのが楽しみです。なんでもないことを話したり、草取りをしたりするだけなのだけれど・・・
中には、おじいさんの頃からずっと付き合っています、という人もいて、地域の人たちとの清掃交流は、楽しみな時間です。清掃をしていて思うのは、たばこのすいがらがとても多いことです。少なくとも、自分の周りにはスモーカーがいないのに、世間の人のだれがたばこを吸う人なのだろう、と不思議に思うことがあります。それくらい、吸い殻のごみが多いです。9月24日にダッカから発送されているはずの荷物がまだ到着shしていません。以前は1週間で届いていたのが、なんだか遅くなっているように感じています。しかし、とても待ち遠しい。写真のブロックプリントは、ずいぶんと気に入って、選んできたものです。以前は自分で絵柄を書いて、それを彫ってもらい、プリントをしていました。しかし、地元にある、年月を重ねたブロックプリントがおもしろいと思うようになりました。それで、ブロックプリント屋さんに行き、山のようにあるダイスのなかから、ブロックプリント屋さんに相談しながら、選ぶようになりました。5月に行った時から、「ばら」のブロックが気に入って、色を変えながら模様をつくってもらっています。先回は、ザクロ染めの色の地に、群青色のばらを作りました。今回は、藍のブルーに、黒でばらを作ってもらいました。そしてその他の色が来るはずなので、待ちわびているところです。この小さなばら、イスラムの国で生まれることの、すてきさであるように思えるのです。バングラデシュのばらは、冬の時期、12月から2月にかけて、最適な時期を迎えます。大輪のばらが、南国の「ゆったりとした」空気の中で、咲きます。冬のばらを、ダッカでみることがほんとに優雅で楽しいことのように感じます。冬に咲く、蒼い小さなばら・・・カディの服で表現しました。
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by sakura_mohila
| 2024-10-06 16:07
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雨の土曜日。久々に、時間をかけて読書をしたけれど、とても満ち足りた気持ち。書いてあることはぜーんぶ忘れて何も、身になっていないのに!
日本で染めていただいた藍のブラウスを着ていたら、テイラーのレザさんがほめてくれた(ブラウスを)。さすが、そのようなことに彼のセンスが向いていくのだ!彼は決して裕福とは言えないけれど、一生懸命に働いて、家族を護っている。彼の家に一度、ディナーの招待を受けたことがあるけれど、カーテンなどがとても素敵だった。カーテンはもともとイスラムの文化から来たものだけれど、レザさんの家のカーテンの使い方はセンスがよくて、さすがであった。彼の家のある環境は、決して富裕層の人たちが住む場所とは言えないけれど、彼のアパートメントは、その界隈の家とはおもえないくらいにすっきりとして、しかるべきお金がかけられた内装であった。しかし、近ごろは、レザさんはいつも厳しい顔の表情をしている。どうぞ、うまく持ちこたえますように。藍はアジアでは日常の色であったけれど、我が家は今、皆、藍を着ている。それはたまたま、そうなったにすぎないのだけれど、とても美しい。西洋の生活に藍が紹介され、富裕層の人たちが藍を見た時、彼らは何をおもったのであろうか?今の生活で藍の染めを見る時、なにか藍色が息をしているようで、美しく見える。しかし、当時の人々の生活には、植物の染めしかなかったのだから、藍がどのようにみえたのであろうか、と興味をそそられる。10月29日から企画している「藍展」では、パネルにしてかざりたいと思っている写真がある。イエメンの藍染めの職人さんが染め終えた藍の綿布を陽に干している写真である。あのような砂漠の地にあってさえ、藍は土ととてもよく似合っている。しかしながら、イエメンの植物の藍は、数年前に絶えてしまったそうである。戦いが終わりますように!
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by sakura_mohila
| 2024-10-05 18:02
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彼岸を過ぎて、彼岸花がいっぱい咲いている。どんぐりも大きくなってきている。あちこちの木や花は、もうまぎれもない秋に変わっている。今年の夏は、暑く、忙しかったなあ!
サクラモヒラの服を作ってくれているレザさんは、今年は苦境にある。ある会社の業績の悪化を被って、自分の工房を半分のサイズに縮小せざるをえなかった。心臓の手術をバイパス手術を受けて、以前のように無理な働き方ができない。写真を送ってもらったけれど、どれも皆、渋い顔付をしている。写真はダッカにあるレザさんの工房。彼は農家の3男で、家督を継ぐことができず、ダッカに働きにきた。出会ったころは、髪がふさふさとしていて、お腹も平だった。しかし技術は、少々頼りなかった。日本人と出会って以来、レザさんは、いろいろなことに目覚め、技術を盗むかのように吸収していった。彼とはすでに20年の出会いになると思うが、現在、デザインを決めて彼に丸投げしても何も心配がない。彼は日本人のボディサイズや縫製をマスターしている。貧乏から這い上がるようにして、着々と自分のビジネスを広げていた矢先の、大きな試練。近ごろのレザさんはいつもきびしい表情をしている。しかし紹介したい先があるので、写真を送ってくれるように頼んだら、彼の工房の写真を送ってきた。レザさんは半分しか映っていないではないか。レザさんの顔が必要だ、とたのんだら、3枚、ポートレートを送ってくれた。コメントとして、もっと必要ならもっと送る、と書いてあった。仕事が欲しいのだろう。ほんとに増やしてやりたいよ。そして彼が育てたテイラーたちをまた、呼び戻したいものだ。
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by sakura_mohila
| 2024-10-03 16:55
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