梅の花の時がきた。梅の花は、暖かな春の風よりは、冷たく、澄み切った空気がにあうのだろうな、と思いながら、丸くかがめた背中をまっすぐにしたくなった。なんだかんだとくさしても、春の足音が近くなっている。お池の鴨たちも、なんだか様子が違うし、暖かな落水にかたまっていた鯉たちも、もう普通に池にちらばっている。まだ身に染みる寒さがある時の陽光のパワーは、なんと表現してよいかわからない。希望や力を与える存在だ。植物でさえも、芽を出し始めている。梅を見るたびに、梅干を考えたのはだれだろうか、といつも思う。旅にあって、梅干とおにぎりは、命の基だったのだろうな、と思うと、梅干と握り飯の日本文化が愛おしく見えてくる。しかし現実はと言えば、私はサンドウィッチに手を出すほうだ。家人には、インスタントの食品は食べさせないようにしていながら、カッパエビセンより「やめられない、やめられない」、有るアジアのインスタントスープがある。辛くて、その辛さがとてもおいしい。日常のマーケットではなく、少し高め系のお店にしか売っていないのが、まだ幸い。1杯では足りず、ついつい2杯目を飲んでしまうのだ。ダッカで生活をしていて、おいしいと感じるものも、インスタント系であるような気がする。日本から持参するインスタントコーヒーやココアばかり飲んでいる。後は、街で買う果物があれば1週間くらいは、なんでもない。お招きいただいた家でお料理したものをいただくけれど、その時には、炭酸飲料がとてもおいしく、がぶがぶといただいてしまうのだ。自分の家では飲まないのに!異国に旅をしていて、おいしい、と思うのはコーヒーだったり、果物だったりして、本音を言おうものなら「ッザケンジャネエ!」とテーブルをぶつけられそうだ。しかし、ここだけの話だが、自分は味オンチで、どこにいようとも、おいしいお茶と果物があれば生活できる変人だと思う。その私がはまってしまう、シンガポールのインスタント・スープ。おいしいんだよ!
by sakura_mohila
| 2023-02-02 15:38
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