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教育

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明け方雨の音が激しくしていた。
ラジオが九州地方の雨の激しさを伝えていた。ラジオの音さえも聞こえないほどの激しい雨だという。
自然て、そういうものだ。

サクラモヒラの染仕事を長くしてくれていたモドンさんが事故で亡くなった。
小学生の子どもさんを二人遺して、一瞬のうちに息絶えた。
彼が染めてくれたバティックや藍の製品を手に取りながら、奥さんや子どもさんやお弟子さんたちのことが心に浮かんだ。
ほんとに深い喪失感に囚われる。
しかしこの世はそういうことも起こるのだ。彼との数年間を思いながら、次のステップにつなげていこう。
この次ダッカに行ったら、あの工房にご家族を訪ねることだろう。彼が身を粉にして働いて、築いた場所だ。奥さんはちゃんと後をついでいけるだろうか。

彼は染職人であったが、サクラモヒラが関わるもう一人は織職人である。
彼が識字がない、ということを知って愕然としたことがあった。
現地語に疎く、自分は字や絵を描いて伝えようとしているが、ある時、彼が書いたものを見てはいるけれど、読んでいないことに気がついた。
そのようなハンディがあるから社会のことも、うまい具合に昇華仕切れていないのだ。
それで、こまったことがある。
「これは綿100%ですよね」
「もちろん」
「混じり物があるらしく、染具合がちがいますが・・・」
「無言」
彼に支払った糸代が、どこでどうなったか、安物にかわっている。どうやらお金に釣られて安い糸を買ったのかもしれない。ほんとに気がついていなかったのかもしれない。
しかし、彼の論理では、1本、2本の混じり糸があったって何を騒ぎ立てるのか。綿にちがいないではないか、となる。
そのあたりで、話は平行線だ。
こんなことが繰り返されると、こちらもついその気になる。1本、2本の混じり糸くらい、なんの変化があるかって。
現地ではそれは立派にコットンだよ!

しかし、ピュアに拘るのが日本社会だ。なにを基準にするのか、と時々自分に問うことがある。



by sakura_mohila | 2020-07-04 17:39 | Comments(0)  

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