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時々辛いこと

めったにないことだけれど、村の女性の中に、歩調の合わない女性がいた。彼女は初期のころから、ミシンの使い方を村の女性たちに教え、丁寧な縫い物を仕方を教えてくれた。彼女には。そのようなプライドがあったのだ。
何年かが経過した。彼女はサクラモヒラのリーダーさんとして、ダッカのオフィスに来るようになった。
初めは、皆、サクラモヒラ製品の初級者で、皆、真面目におそわるままに制作して、楽しそうに充実した何年かを過ごし、稼ぎ、ほんとに満ち足りた顔をしていた。
何年かが過ぎた。村の女性たちはそれぞれに能力を発揮し始め、すばらしい製品を作るようになった。彼女たちの創造性は鼻が開いたように、よい製品となった。
そこで、能力が分かれ始めた。歩調の合わないその女性は、創造力が乏しかった。彼女に割り当てられる仕事は針目がそろっていることを要求される仕事になり、他の女性たちと収入の差が出始めた。
実は、彼女が一番経済的に困窮していたのだ。しかし、彼女があせればあせるほど、高いお金が払えない仕事になった。
彼女はお金の前借を頼んできた。それは、断わった。だれにも断わるのだ。
半年間、こちらも悩んだが、「もうダッカに来なくていいです」ということになった。
肩の重荷がすーっと軽くなるのがわかった。しかし彼女の経済的困窮度はますばかり。彼女は息子さんを外国に出稼ぎにだすために、プロの金貸しからお金をかりたのだが、その話はだめになり、結局息子たちは地元の収入の低い仕事をして、皆で、借金の利子ばかりを返すことになった。返しても、返しても、借金が減らないと彼女は言っていた。
皮肉なことに、彼女をお断りしたことで、村の他の女性たちが危機感と緊張感を持ち、製品の質は、ぐんとよくなった。彼女は、仮に戻りたくても、もう、居場所を見つけることができないのだ。

それから何年かが過ぎて、彼女は家を売り払い、借金をきれいにして、故郷や親戚を頼ったが、結局うまく行かずに、今は、もとの自分の家に家賃を払ってすんでいるそうだ。サクラモヒラの仕事も村の中でこなしている。お買い物の袋を作ってくれているけれど、丁寧できれいな仕事だ。
このお買い物バッグは、初めは、村の女性にミシンを練習するための仕事であった。皆、ミシンができるようになり、今は最年長の彼女の占有仕事となっている。
その話を聞いて、なるべく、たくさんの注文をだしている現在である。

しかし、似たような話は、結構でてくるものだ。迎え入れることは、どちらもにこにこですむが、その反対は、どちらにとっても、苦しいことだと思う。
でも、そうしなければいけないことだって、ある。


by sakura_mohila | 2020-01-17 17:27 | Comments(0)  

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