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もの作り

冷たい雨の日。郵便局で、7~8人くらいの列に並んだら、1万円を手に持ったおじさんが、「オネエサン、今日は寒いね」とにこにこと話しかけてきた。「冬ですものねえ」まだ何か言っているけれど、私は近頃耳が遠くなったのか、よく聞き取れなかった。順番が回ってきて、朝の郵便局の会話はこれでおしまい。

真夜中近くの深夜便で、二人の若い職人さんが話していた。メモをしていないので、お名前は忘れてしまった。
一人は染の、もう一人は江戸切子の職人さんである。二人とも感受性が豊かな人だったのかもしれない。初めから職人さんを目指したというよりは、厳しい旅路を経て、その道で賞を取り、その道を歩む決心をされた人たちであるかのようだった。
聴いていて、彼らの言葉がほんとによく理解できるし、言葉が足りないとしても、状況が伝わってきて、このような物を作る人たちの言葉をほんとに探したくなった。
自分はものを作ることがほんとに苦手である。不器用だし、今はなによりも、「時間がない」を錦の御旗のごとくの言い訳にしている。認めたくないけれど、繊細な情感も乏しい感じがする。
でも、物を作る人は大好きになった。共感を得ることも多くなった。
米、野菜に始まり、工芸品、手芸品と物を作る、という態度の人がほんとに好きな気がする。
サクラモヒラの村の女性たちがダッカの仕事場にいる時、たまにホットケーキを焼く。皆、無駄なものなど何も食べずに働き通すので、おやつの意味もあり、日本からのインスタントのミックスを焼くだけだけれど、皆、ほんとのご馳走のようにして、全部平らげる。ファテマは子どもたちがまだ小さいので、私がホットケーキを焼くさまを、目力のある目で見ている。いくら見たって、インスタント・ミックスだから、コツなどあろうほずがないけれど、子どもたちに食べさせてやりたいのだ。
私の母だって、子どもたちに食べさせたくて、重曹で膨らませたホットケーキを焼いてくれた。母は、料理に感心が高く、好奇心が強かったので、当時の田舎暮らしでも、西洋料理をたくさん作った。
彼女は服も作ったし、編み物をしたし、着物も作った。当時の女性は大方そうであったことだろう。
コックリ、コックリとよなべをしながら、それでも物はできあがっていったから、昔の人たちの根性はすごいね。

サクラモヒラの村の女性たちも、私の母も、出来上がった時の満足した表情は変わらない。



by sakura_mohila | 2019-12-02 17:00 | Comments(0)  

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