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Dogs and Demons

Alex Kerrの「Dogs and Demons」をちびり、ちびりと読み進むと、彼の日本や日本人に対する考え方が、「まったくそのとおり」という共感をおぼえることしきりである。アメリカ人の目から見たら、不思議に思うことがストレートに見えてくるにちがいない。
特に彼が主張するのは、戦後の貧しい状況から金持ち国になった日本だが、人々が「きれい」というのはプラスチックやなにかのピカピカとして傷がなく一見「きれい」に見えるものばかり。手仕事のもたもたは、手仕事として評価する基準がなくて、昔の劣ったものという感覚で見る。日本語の中で「きれい」という時、きちんとかたずいている、美しいの二つのことを意味する。
そのような感覚は個人ばかりではなく、公共事業の中にも溢れていて、お金持ちにはなったけれど、気持ちは途上国にとどまっている、のではないかという彼の洞察がある。
明治以来、日本は西洋の国に倣って近代化を進めてきたわけだから、手本はいつも西洋文化の中にあって、その視点から抜け出るのはなかなか難しく、時間がかかる。気がつかぬ間に抜け出ることができているのかもしれない。
国際ニュースを日本のメディアで聞いたり、読んだりしていて、ある時、ふと、気がつくことがある。日本での報道はそうでも、現地では視点がちがうのだ!
彼は日本の田舎で深く現地の生活に入り込んでいるが、その中から見えてくるもの、そして彼が出す提案は耳を傾けてもいい、と思うのだ。

by sakura_mohila | 2018-08-10 18:21 | Comments(0)  

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