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冬の鷹(吉村昭)

冬の鷹を完読して、とても満足感。今週は電車での外出が多く、しかもその中の1回は、蒲田で降車のはずが本に夢中になり、鶴見まで乗り過ごし、目的地に戻る時間も読んでいたから、ページが進むのももっともだ。
「解体新書」を巡って、杉田玄白と前野良沢のライフを描いている。西洋の学問がこのようにして江戸の日本に入ってくるようになったのだ、そして当時の日本の生活のスタイル、言葉の交わし方、老いての家族との関わり方など、様変わりした今の社会と比較して、非常におもしろかった。
それにしても、私などは学校で歴史を教わった時には考えてみたこともなかったけれど、対局にあるこの二人の性格の違いを、書き表した吉村さんはすごい!作家になる人はほんとにすごい!と正直、関心するのみだ。しかも、江戸時代の言葉の使い方、漢字など、どのように習得されたのであろうか。



# by sakura_mohila | 2019-05-21 06:24 | Comments(0)  

さくらんぼ

外国産のさくらんぼが出回り始めた。まだ高めだけど、買っちゃお!
さくらんぼにはまったく目がなくなってしまうのだ。味がおいしいというよりは、さくらんぼが運んでくる連想が楽しくて、その蜜の味がおいしいのではないだろうか。
一番に連想するのは、フランスとゴッホ。二つのものが、身近にないからこそ、よけいにさくらんぼがあこがれを運んでくる。だから、買うのは、日本の黄金色のさくらんぼではなく、黒い赤色の西洋のさくらんぼだ。
パリでたまたま見た東ヨーロッパからの出稼ぎバス。さくらんぼ摘みに駆り出された出稼ぎのバスであった。エッフェル塔の広場に停まるそのバスはぼろぼろでほこりだらけ。乗客たちは、ジャージーの灰色っぽい体操着を労働用に着ていて、夢を見るような目でエッフェル塔を眺めていた。もう何年も前のことで、こちらも東ヨーロッパのことを知ることが少なく、非現実的にその出稼ぎに来た人たちの楽しそうな表情を見て、今になっても忘れることがない。エッフェル塔を見上げる場所に停まっていた、あの場違いにでこぼこのバスとともに、ほんとに楽しい旅の思い出になっている。
もう一つの思い出はオーヴェル・シュル・オワーズの駅の近くのスーパーマーケットで、日本では買えないような大きなサイズのさくらんぼのパックを買って、ゴッホのミュージアムの庭で食べたさくらんぼ。あちこちの庭にもさくらんぼが実っていた。ゴッホがテオと眠る墓地に向かって丘を登りながら、そのさくらんぼの種をまわりにこぼして、一つ、一つ・・・と全部食べてしまった。
果たしてゴッホはこのさくらんぼが風にゆれる風景をどのように感じていたのであろうか。そんなものには目もくれず、麦畑をめざして、ひたすら歩いたのだろうか。
彼の、「アーモンドの花」の絵が大好きなので、ショッあピングバッグやマグネットやコーヒーカップ、いっぱい買ってしまったよ。いつかアーモンドの花が咲くころに旅ができるだろうか。

# by sakura_mohila | 2019-05-19 06:32 | Comments(0)  

写真展

Gallery Sakura Mohilaにて、野村理叡子さんの写真展が始まっています。理叡子さんは学生さんで、一昨年の春、サクラモヒラのダッカのオフィスに泊まり、ダッカ、チタゴンを旅して、写真を取り集めました。若い目が新鮮に街に生活する人たちを見ています。
彼女はダッカの街で、「列車の屋根にノリタ~~~イ!」と言っては、「あなたは女だからダメです!!!」と言われていました。街は貧しい、という見方ではなく、その場所に同化してしまう自由さがうらやましいと思いました。
初めてダッカに着いた時、バスの屋根にひしめく乗客を見て、しかもその人たちの目が一様に輝いているさまを見て、外国感を大いに味わうことはありましたが、「ノリタ~~~イ」と思ったことは一度もない私でした。
長年バングラデシュに関わって、自分の感じ方、見方が変わったことに気が付きます。

写真展は2週間です。ぜひおでかけください。

# by sakura_mohila | 2019-05-18 06:36 | Comments(0)  

ばら

ばらの季節を迎えている。街のどこにもばらが咲いている。毎週行っている香文木さんのお庭に野ばらが滝のように咲いていた。先週はまだ蕾だったはずなのに。
途上国のマーケットで、ホンデュラスの工芸品を観たらばらの彫り物だった。「ホンデュラスに薔薇はあるの?」と尋ねたら、「ある」という答えが返ってきた。
イメージは湧かないけれど、バングラデシュにも薔薇がある。冬になると薔薇が季節を迎え、ほんとによく咲いている。ダッカにある植物園を訪れた時、薔薇のコーナーにも行ったことがある。その時薔薇の世話をする人たちが、ばらの世話をしていた。ゆったりとした時間が流れていて、あの薔薇園の時間の流れ方が印象に強く残っている。世話をしている職人さんたちも、静かに話し、動作もがしゃがしゃしていなくて、大好きな時である。
霞の中にかすんでいるような時間とそこに働く人々の動きとばらの香り。ほんとに美しい時を、ダッカの中で体験したのだ。
あの美しい時間を、ばらの季節がくるたびに思い出しては楽しんでいる。

# by sakura_mohila | 2019-05-17 06:35 | Comments(0)  

夜明け

4時過ぎに起きたら、すでに夜明けの薄明りに包まれていた。窓から見渡したら、街も明けてくる白い光の中にあり、夜の赤い風景は消えている。
ふと、昨日見たライオンの写真を思い出した。浦和駅の京浜東北線のホームにあったどこかの会社のパブリケイションの写真である。未明の草原で、水たまりのような場所で水を飲もうとしている野生のライオンである。その鬣は野生のものさながらで、もじゃもじゃとしている。足も、目つきも、興味をそそられて、電車を待つ時間をずっとそのライオンを見ていたから、今や親しい友のような気持ちである。人間が飲んだらたちまちやられてしまいそうな水。草原の夜明け。彼が立つ地面も背景もなにもかも詩的であった。
野生の生き物たちを見ていると、自分にきびしくできる。まだまだきびしくできる。ぬくぬくと愚痴をこぼしている自分がとても醜く見えるからだ。
生き物たちを野生の中に見ることがほんとに好きだ。だが、それも人様が写した写真を見ているにすぎないけれど。

# by sakura_mohila | 2019-05-16 06:03 | Comments(0)  

「途上国マーケット」終わりました

5月8日からの「途上国からの素敵なものマーケット」、13日に終了しました。多くの方々にお運びいただきました。ありがとうございました。ひたすら、「がんばります」しか言える言葉がありませんが、せっかくの場所ですので、少しずつ肩の力をぬきながら、高きをめざしたいです。9か国の物産を扱っておられる方々が集合しましたが、その参加してくださった方たちに責任もあるので、自分のことだけを考えているよりは、緊張しました。
しかしながら、ギャラリーに並ぶ製品を見ながら、「途上国」ってなんだろう、とふと考えました。
ひところは、途上国の品質は悪い、途上国の人たちは貧しくかわいそうだ、だから買ってアゲル、などと思われるのが一般的でした。昨今、私たちのまわりの製品のほとんどは、いわゆる途上国で作られ、それとも知らずに「安い、高い」と言いながら、途上国で作られた製品を買い求めています。農産物でさえも、途上国で生産されたものがでまわり、人は何も思わずに「安い、高い」で買っています。
一頃のように途上国はほんとに貧乏なんだろうか。日本だって、先進国の体面を保ちながらも、財政は健全で、人は富を楽しんでいるのだろうか。
途上国からの、その地方に育った製品を見ながら、もうひところの、途上国と先進国の関係は変わったのだ、と思わずにはいられない。
20数年間にわたり、バングラデシュの貧村と関わることになったが、現状に鑑みながら、初めのころのやり方もうはすでに過去のものだ。その分、村の人たちもかわらなければいけないのに、どっぷりとぬるま湯につかることに慣れてしまい、危機感をもたない。そのリードを取るのは自分であろう。
生き残るためいつける力は、自分を磨くことしかないではないか。村には村の生活の背景があり、そこに育った彼女たちはそこで身に着けたものがあるはずだ。私には私の生活の背景があり、そこで覚えた何かがある。そのような融合の文化内包するサクラモヒラであってほしものだ。

# by sakura_mohila | 2019-05-14 10:37 | Comments(0)  

樫野先生の「人間学」講座

毎月第2土曜日の10時半からは、樫野紀元先生の人間学の講座があります。5月からは新しいプログラムが始まり、その第一回目として、澁澤栄一の経営哲学を学びました。彼の活躍した当時は、まだ人々の生活の中に論語の訓えが空気のようにあったのかもしれない、と思いながら、時代とともに変化した社会の様子を思いました。
参加者は現在5人前後、なにも気にせず考えていることを口にできる気楽さから、先生のお時間の半分くらいを、参加者主体の話になったりしています。でもこれが、身の丈にあって満足感があります。このような形を通して話し合いがあることで、日常のなんでもないことに気が付くことも結構あって、参加してくださる方の感受性に関心します。
樫野先生の知識はすばらしいです。その素晴らしさを必死で隠そうとして、いろいろな冗談を投げたりなさいますが、(内緒で言うと)ほんとに冗談がへたです。参加者が冗談が冗談になるように一生懸命気をくばります。

しかし充実感に満ちた楽しいクラスです。どなたでも参加できます。
毎月第2土曜日、10時半~昼頃まで、
場所: Gallery Sakura Mohila, さいたま市大宮区宮町1-18 押田謙文堂3F
連絡: 080-5008-0562(直通)又はメール
参加費: ¥2000

# by sakura_mohila | 2019-05-12 09:46 | Comments(0)  

マイノリティ

Gallery Sakura Mohilaの「途上国からの素敵なものマーケット」、懐かしい方も遠くからの方も来てくださって、思わぬ巡り合いに心を動かされること大です。
さてその訪問者の中にアメリカ人がいました。彼女が思わずもらした一言が耳に残りました。「ここは皆外国語が使えてインターナショナルだ!」
2回目になる今回は、9か国の参加ですが、それぞれの出展者の背後にはそれぞれの外国があります。出店者の方々は多かれ少なかれ、その背後の国の状況を生きてきているので、純粋な日本社会に生きた人とちょっと雰囲気が違います。会期中の4日間は出展者の方たちとご一緒させていただいたのですが、でたらめな自分が居心地がよくて、彼女の瞬時の印象の言葉で、そのことに気が付きました。
良くも悪くも、そのような人たちも増えるし、逆に日本人の感覚を身にまとった外国人も増えるのでしょう。

# by sakura_mohila | 2019-05-12 09:20 | Comments(0)  

更紗 2

気候の良い5月は5時起床を基本としているけれど、時々それよりも早く、時々それよりも遅く…というようなモチベイションの低い起床時間のルールである。朝日の色を観たり、緑を観たりすることが、楽しみの楽しみになっていて、ほんとに朝の光の変化は美しく、しかも心を満たすから、不思議だなあ!
現在Gallery Sakura Mohilaにて、「途上国からの素敵なもの」マーケットが進行中であるが、ふとカンバジアの「幼き難民を考える会」さんの美しい藍染が思い浮かんだ。藍染が深い藍色を見せてほんとに美しい。ピダン・クメールの絵絣も、その繊細な仕事の美しさに見とれるばかりである。織物であるから、縞模様ばかりであるけれど。しかし今回2回目になるGallery Sakura Mohilaのマーケットだが、カンボジアの会さんから届いた更紗がないことに気がついた。ないのだろうか。あるとしたら、どのような絵模様なのだろうか。
フランスで爆発的に流行した更紗模様、インドから入ってきたには違いないけれど、ドレスにマッチするプリントを造り、しかも精巧な効果を求めて、進行したから、すでにフランス独自のものだ。英国のリバティ社のプリントとも違う。それぞれの国の背後の文化の違いもとても興味をそそる。
何年か前にマーガレット・フォースターという人の小説を読んだ時、リバティ社のプリントの話がでてきて、頭の片隅に残っていたが、またそのページを読みたくなった。19世紀のロンドンの庶民の女性たちの間に位置づけられたプリント布の存在が今頃、あれやこれやと結びついて、その前後の表現をきちんと読んでいなかった、とやっと気が付いた。
たかが、バングラデシュの布に関わった自分の生活なれど、実はこんなにもさまざまなことが展開していたことを何も知らないでいたのだ!

# by sakura_mohila | 2019-05-11 06:24 | Comments(0)  

フランス更紗

French Antique Textiles, (Collections made and imported by Mulhouse, Toiles de Jouy and Souleiado)は興味が尽きることがない。ほんとに、ほんとに興味深く、朝ご飯も取り忘れてしまうくらいだ。
更紗は東インド会社を通して、インドから伝わり、南仏からフランスに熱狂を運んだものであるが、18世紀のフランスの工場で、職人さんたちが木版を押しているさまは、私がダッカに行くたびに目にする様子であり、サクラモヒラのプリントもそのようにしてカディに押されてくるのだ。写真を目にした時、これはバングラデシュ人かフランス人か、メガネをかけ替えて、なんども見てしまったが、やはりフランス人の顔、顔でした。当時、南仏ではインド更紗用の箪笥を持つことがステイタスとされ、富の象徴として、来客の折にはその箪笥をあけておいて、更紗を何枚持っているのかをさりげなく見せたそうだ。ソレイアード南仏テキスタイル美術館には、当時のプリントや版木が残っていて、当時のように手仕事のかすれや継ぎ目をそのまま残しながら、テキスタイルを生産しているそうである。
バングラデシュの一番高価な布はジャムダニ織である。高価であるわけは、果てしなく時間と手間がかかるからだが、この布はユネスコ無形文化財として登録されている。そしてそのモチーフは生活の中にある植物などであるが、プロヴァンスのテキスタイルを連想させる、その理由がわかってきて、まさに開眼であった。

# by sakura_mohila | 2019-05-10 06:54 | Comments(0)